7月30日 クマゼミ(せみ科)
明け方からいっせいに鳴き出し、昼頃には鳴き終わり、夕方また鳴き出す。元気よくシャーシャーとよくなき、一匹でもうるさいくらい大きな音を出します。西日本では、最もふつうにいるせみですが、東日本、関東にはほとんどいません。信濃毎日新聞(7.17)によると、名古屋大学でクマゼミの大合唱が聞かれるようになったそうです。つい最近までは、静岡県はじめ東日本にクマゼミは分布していません。伊豆半島でもこの大声は聞けるようになったそうです。関東には、ミーンミーンとなくミンミンゼミが多くいますが、最近和歌山でもミンミンゼミの声をよく聞きます。(今年はまだ聞かない)
クマゼミの鳴き声 和歌山市でのセミの分布調査
クマゼミの羽化
セミの仲間は鳴くのはオスだけです。オスにはおなかに腹弁という鳴くための器官がありますが、メスにはありません。
セミの生活史
セミは、さなぎにはなりませんが、幼虫は成虫とまったくちがう体をしていて土の中で生活をしています。幼虫は木の根の汁を吸い成虫は、木の幹の汁を吸います。幼虫は5齢まで脱皮をして土の中で大きくなり、発生期になると、終齢幼虫は、夕方から夜にかけて、土の中から外に出て、木に登り最終脱皮をして成虫になります。
幼虫の期間は、ツクツクボウシ1〜2年、ミンミンゼミ2〜4年、アブラゼミ2〜4年、クマゼミ2年、です。
ウェザーニューズより ウェザーニュース調査 2008.9
“地球温暖化”の影響で『クマゼミ』の北限が北上し生息地拡大
〜 全国の一般の方からのリポート1793件により判明 〜
株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、全国の一般の方からの協力のもと、クマゼミの分布を調査する『全国一斉クマゼミ調査』を実施し、この度、その調査内容をまとめ発表しました。調査では、
従来、生息の北限が“関東南部”と言われていたクマゼミが、温暖化などの影響により、“関東北部〜北陸”に変化し、生息の範囲が拡大していたことが、一般の方から寄せられた1,793件のリポートにより判明しました。
クマゼミは、平地から低山地にいる6〜7cmの大型のセミで、関東南部以西の東海、近畿、中国、四国、九州地方に生息しています。しかし、ここ数年、ウェザーニューズには、生息地と言われていたエリア以外からの目撃リポートが一般の方から多数寄せられていました。ウェザーニューズでは、これらクマゼミの生態を一般の方と共に調査する試み『全国一斉クマゼミ調査』を8月に行い、全国から1793件寄せられたリポートをもとに傾向をまとめ発表しました。
◆生息地北限が“関東北部〜北陸”へと北上
〜関東の温暖化などが一因 〜
従来、生息エリアの北限と言われていた“関東南部”が、“関東北部〜北陸”に変化していることが、この度、分かりました。これは、東京を中心とする関東圏において、気温上昇が起こり、これによりクマゼミの生活できる環境が北上していることが要因として挙げられます。大阪と東京の積算気温の変化をみてみると、現在の東京は70年代の大阪に匹敵する暑さになっていることがわかります
調査前 調査後