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カジメ類の衰退(磯焼け)現象と高水温の関係

水産試験場

 研究のねらい

 和歌山県沿岸域には、アワビやサザエの餌料として重要なカジメ類が群落を形成しています。しかし、時にこれらが大規模に消失し、アワビ漁業等に大きな被害をもたらします。そこで、カジメ群落が変動する原因を解明し、漁場造成に役立てます。

 研究の成果

  1. 本県沿岸域におけるカジメ類の生育状況を潜水調査したところ、北部域では濃密な群落を形成し、南部の西岸域では生育が認められませんでした。そして、その中間域では、生育の認められない海域に近づくほど疎生となっていました(図1)。
  2. 定地観測による年平均水温とカジメ類の生育状況を比較すると、北部域では17.9〜 19.1℃、南部の西岸域では20.2〜22.6℃、その中間域では19.0〜21.2℃であり、20℃を境に生育が制限されていました(図2)。
  3. 沿岸水温の動向と黒潮流路の変動とは密接な関係があることが明らかになっています。そこで、沿岸水温とカジメ群落の盛衰の関係を検討したところ、藻体の衰弱期にあたる10〜12月温が平均水温(22.9〜16.6℃)よりも高く(0.9〜1.4℃)推移した年に大規模な衰退が認められました(図3)。

【問い合わせ先TEL:0735-62-0940】

 

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