わし座 略号 Aql.

   わし座はBC1200年のバビロニアのころからある古い星座です。長い間、アルタイルと両側のβ星,γ星の3星を結んで翼をひろげて飛ぶわしと見ていたようです。

 わし座が現在のように大きくなったのは19世紀です。ε星とξ星は尾という意味の「デネブ」という名前ですが、δ星にも「デネブ・オカブ」という名前がついています。大きな鷲の形を作る星結びはいろいろあるようで、星座解説書によってもときどきちがいます。ギリシャ神話では、大神ゼウスが美少年ガニメデをさらうために変身した鷲の姿であるとされています。

    

 

わし座のおもな星

  個有名 JohnsonV Johnson B-V 視差(1/1000秒) 距離(光年) スペクトル 絶対等級 太陽の何倍明るい
αAql アルタイル 0.955 0.221 194.44 16.8 A7IV-V 2.204 10.9
βAql アルシャイン 3.814 0.855 72.95 44.7 G8IVvar 3.025 5.1
γAql タラゼド 2.889 1.507 7.08 460 K3II -3.03 1350
δAql   3.405 0.319 65.05 50 F0IV 2.43 8.9
εAql デネブ 4.138 1.082 21.22 154 K2III 0.654 46
ζAql デネブ 2.991 0.014 39.18 83 A0Vn 0.955 35
ηAql   3.958 0.630 2.78 1170 F6Ibv SB -3.91 3000
θAql   3.237 -0.066 11.36 290 B9.5III -1.48 330
ιAql   4.341 -0.079 10.61 310 B5III -0.51 130

★αAql アルタイル 固有名アルタイルは、アラビア語の「アル・ナスル・アル・タイル」(飛ぶわし)から来た名で、アルタイルの両側に有る2つの星と結んで、翼を広げ空を飛ぶ鷲の姿を想像したものだ。

理科年表2003年版によると、「実視等級+0.8等,スペクトルA7V型,固有運動(+537,+386 1000年間の移動量で角度の秒単位),距離17光年,視線速度-26km/s」となっています。実視等級は実際に目で見たときの明るさで、若干明るい1等星です。スペクトルA7Vから、星の中心で水素がヘリウムにかわる核融合が安定してすすんでいる主系列星で(記号V)、表面の温度はおよそ8000度の白い星であることがわかります。

固有運動は、星それぞれが動いている量で、アルタイルは3桁の数値ですから大きめです。東向きの移動量が1000年で0.15度、北向きは0.11度で、合成すると1000年で0.18度動いていることになります。ハリーが恒星の固有運動に気づいたアルクトゥールス(1000年で0.63度)やアルデバラン(1000年で0.055度),シリウス(1000年で0.37度)とあまりかわりません。動いている向きは北東(方位角54度)ですから、5万年で「いるか座」へ入ります。「視線速度-26km/s」は、私達にむかって秒速26kmで接近しているということを表しています。

わし座の天文学的興味天体

★SS433 ブラックホールと重い恒星の連星 16,000光年 チャンドラによってブラックホールの両側にある高温領域が観測された。....アストロアーツ天文ニュース

★マイクロクェーサーGRO1915+105 ブラックホールと赤い巨星の連星  発見 X線観測衛星GRANATが1992年8月15日に、変動するX線源として「わし座」でとらえた。位置は、アルタイルの10度ほど西、ほぼ銀河面に近いところ。光での明るさは21等より暗く、距離はおよそ1万光年と見積もられている。繰り返された観測で、これまでに5回ジェットの吹き出しが認められ、マイクロクェーサーとしての性格がはっきりしてきた。X線、赤外、電波観測など、での観測を続け、さまざまの特徴が得られた。マイクロクェーサーは、銀河系内にある天体で、クェーサーに比べればその大きさは極めて小さいが、構造や物理的状態がクェーサーに類似しているために、このように名付けられたもの。具体的には、連星系の一方が、太陽の数倍程度の質量をもち高速で自転しているブラックホールであり、もう一方の恒星から供給されたガスがブラックホールの周りに降着円盤を作っているという天体を想像すればよい。 ...nao0173から   ブラックホールの質量 およそ4万光年の距離にあるブラックホールと赤い星の連星だ。赤い星はスペクトルK型かM型の巨星で、星を作っているガスがブラックホールへ落ち込み、光速に近いほどの超高速の細いジェットを間欠的に噴出している。ブラックホールの質量は太陽の14倍であることがわかったのだ。 ドイツのグライナーたちは、ESOの8メートル望遠鏡で、この天体を赤外線で観測し、赤い星の光を分析した。そして、ブラックボールと巨星は0.005AUの距離を保ち、周期33.5日で回転していて、ブラックホールの質量は太陽の14倍程度だとわかった。だが、この値は理論と合わないようで、今後の観測などが待たれる。...nao0501から

★X線源SGR1900+14  1998年の8月27日世界時10時22分に、X線、ガンマ線の強い放射が、突然、津波のように地球に降り注いだ。その強度は観測史上最大で、歯医者さんでX線撮影をするときの強度の10分の1程度もの強さだったらしい。ただし、地球は大気に守られているので地表には、X線もガンマ線もほとんど影響を与えることはなかった。この放射が5.16秒周期で変動していたことが観測され、「わし座」にある、SGR1900+14 と呼ばれるX線源から放射されたことがわかった。このX線源の正体は中性子星で、周期5.16秒で自転していて、X線、ガンマ線の強い放射も同じ周期で変動しています。SGR1900+14 は約2万光年の距離。2万光年隔ててこれだけの強さの放射が到達するのだから、エネルギーは想像を絶するものがあり、もしこの星から0.1光年の距離にいたら人間は即死するだろうと推定している人もいる。...nao0213