おひつじ座 Ari

 秋が深まったころ、東の空に星の集団すばるが見えてきます。そのすばるの右上の方に少し暗い星が2つ並んでいるのが目につきます。この2つの星はおひつじ座のα星とβ星で、星座絵ではおひつじの角のところにあたります。

 ほかに明るい星はなくて目だたない星座ですが、ギリシャ時代にはこの星座に春分点があって、太陽や星の運行を調べて暦を作るためにとても重要な星座でした。

 β星はシェラタン「しるし」という名前ですが、この星にこの名前がついた紀元前1世紀ごろには、この星の近くに太陽がくるときが春分で、1年の始まりであったことからこの名前がついたそうです。

 ギリシャ神話では、この牡羊は金色の毛を持った空飛ぶ羊です。テッサリアの王様には二人のこども、プリクソク王子とヘレー王女がいましたが、新しくむかえた妻は二人の個を憎く思い、殺してしまおうと悪だくみを始めました。あわれに思ったゼウスは金色の毛の羊を二人のもとへ送らせました。羊は二人を背に乗せると、空に飛び上がり、コルキスをめざして矢のように飛んで行きました。あまりの速さに妹のヘレーは海に落ちてしまいましたが、プリクソスはコルキスに運ばれ、やがてその国の王女を妻に迎えました。牡羊は感謝のしるしに大神ゼウスのいけにえとしてささげられ、金色の毛皮は樫の木のかけられて昼も夜も眠らない火を吹く竜に守らせました。

 この竜はやがてりゅう座となりました。また、後になってテッサリアのイアソンはアルゴ船に乗って毛皮を取り返しに来ますが、アルゴ船はアルゴ座という大きな船の星座になっていました。