うしかい座

 

 

 夜桜のころは東の空に、初夏には頭上にオレンジ色で明るく光る星は、うしかい座のアルクトゥールスです。

 うしかい座は、おおぐま座を追う男として古代から知られていた星座で、アルクトゥールスは熊の番人という意味の名前です。現在使われている星座絵は主に18世紀に描かれたフラムスチード星図の絵がもとになっています。18世紀の他の星図では男が熊の方を向いているものもあります。それ以前、17世紀に描かれた星図には2匹の犬がないものが多い。りょうけん座の部分は、ドイツの天文学者ヘベリウスが1690年に出版した星図でりょうけん座を発表するまでは、おおぐま座の一部でした。

 アルクトゥールスは、距離37光年、太陽の110倍もの明るさで光る星です。我々の太陽とすれ違うように動いていて、800年で満月の大きさと同じくらい動いて見えることがわかっています。この固有運動に気付いたのはハリー彗星で有名なイギリスのE.ハリーで、5万年もたつとアルクトゥールスはずっと南のおとめ座のスピカの近くまで動くそうです。

 HD130948は、6等星の星で、距離58光年。すばる望遠鏡の観測で褐色わい星という低温の暗い星を2個伴っていることがわかりました。

 

うしかい座の星の固有名 ( 「星座の神話」 原恵著 による。)

バイエル符号  固有名   固有名の意味
α(アルファ)星  アルクトゥールス   くまの番人
β(ベータ)星  ネカル  牛を追っていく人 
γ(ガンマ)星  セギヌス  意味は確認されていないそうだ 
ε(イプシロン)星  イザル  腰ぬの 別名はミラクで、やはり腰という意味。ミラクという固有名はアンドロメダ座γ星,おおぐま座β星にもついています。また、プリケリマという名前もある。こちらはロシアの天文学者、シュトルーフェがこの星を見てあまりに美しいので、最も美しいものという意味のラテン語・プリケリマと呼んだ。
η(イータ)星  ムフリッド  槍つかいと一つ星
μ(ミュウ)星  アルカルロプス  羊飼いの持つ先のまがった杖

 


うしかいはいつから熊の反対を向いているか 熊の番人であるのに、星座絵では反対を向いている。この男はいつから熊の反対を向いているのか。千葉市立郷土博物館&府中市郷土の森博物館発行の「星座の文化史」に掲載された古星図からうしかい座を探してみました。

顔の向き  猟犬   出版年  星図名
反対  あり  1540年  アピアヌスの天文学教科書(ドイツ)
反対  なし  1687年  ブルナッチ天球図(イタリア)
熊向き  なし  17世紀後半   セラリウス天球図(オランダ)
反対  なし  17世紀後半  パルディー天球図
反対  なし  18世紀  ド・ラ・イール天球図(フランス)
熊向き  あり  1705年  アインマルトの天球図(ドイツ)
熊むき  あり  1730年頃  ゾィッター天球図(ドイツ)
熊むき  あり  1742年  ドッペルマイアーの最新天文図帳(ドイツ)
反対  あり  1782年  ボーデ星図(ドイツ)
熊むき  あり  1792年  バッカーの天球図(オランダ)
反対  あり  1795年  フラムスチード星図(イギリス)

現在の天文書などで使われている星座絵はどれもが主に18世紀に描かれたフラムスチード星図の絵がもとになっている。18世紀の他の星図では男が熊の方を向いているものもあったのだ。それ以前、17世紀に描かれた星図には2匹の犬がないものが多い。りょうけん座の部分は、ドイツの天文学者ヘベリウスが1690年に出版した星図でりょうけん座を発表するまでは、おおぐま座の一部だったからだ。

 

うしかい座の主な星 (Hipparcosのデータによる)

  個有名 JohnsonV Johnson B-V 視差(1/1000秒) 距離(光年) スペクトル 絶対等級 太陽の何倍明るい
αBoo Arcturus 0.286 1.239 88.85 37 K2IIIp -0.307 110
βBoo Nekkar 3.588 0.956 14.91 219 G8III -0.64 150
γBoo Seginus 3.062 0.191 38.29 85 A7IIIvar 0.96 35
δBoo   3.577 0.961 27.94 117 G8III 0.691 44
εBoo Mirac 2.470 0.966 15.55 210 A0 -1.691 400
ζBoo   3.799 0.044 18.07 180 A3IVn 0.06 78
ηBoo Mufrid 2.748 0.580 88.17 37 G0IV 2.407 9
θBoo Asellus Primus 4.102 0.497 68.63 47.5 F7V 3.22 4.3
λBoo   4.193 0.087 33.58 97 A0sh 1.81 16
μBoo Alkalurops 4.338 0.309 26.96 121 F0V 1.464 22
π1Boo   4.464 -0.002 10.28 317 B9p MnHg -0.45 126
ρBoo   3.722 1.298 21.92 149 K3III 0.274 65
σBoo   4.513 0.364 64.66 50 F3Vwvar 3.523 3.2
υBoo   4.216 1.520 13.29 245 K5IIIvar -0.33 113

アルクトゥールス .... アルクトゥールスのことを詳しく調べる。

 

そのほかのうしかい座のおもな天体

うしかい座の二重星

★★★ξBoo 12.5cm反射60倍でよく接近した二重星。主星は黄色、伴星は一見朱色に見えた。4.8mmでは伴星の色がよくわかってオレンジあるいは朱色。主星はうす黄色。

★★★HIP70327 15Boo.の3度ほど南東に有る3連の北端星HIP70327は12.5cm反射NG4.8mmで分離して見える。主星は白っぽく、伴星は暗くて色がわかりにくいが、黄色っぽく見える。離角はさっきのξより少し小さい。5.0(A0)-6.7(A0),6.0" 215光年

★★★πBoo. 12.5cm反射NG4.8mmで、さっきのHIP70327(6”)と同じほどに離れている。主星は西側に先頭となって日周運動してゆく白い星、伴星も白い。

★εBoo 1829年W・ストルーフェ発見 「最も美しいもの」 プリケリマ

二重星 離角3” 3等のオレンジ色の巨星と5等の白い主系列星

明るい方 オレンジ色の巨星 太陽の400倍の明るさ 太陽の33倍ほどの大きさで、温度4500K

暗い方  白い主系列星    太陽の27倍の明るさ 太陽の2倍ほどの大きさで、温度8700K

発見以来170年間に2星は軌道の3%ほどを運動して、約185AU離れていて、周期は1000年以上と考えられている。

F.G.W.シュトルーフェ

 1793年ドイツ生まれ、15才のときロシアに移住。1813年(20才)からドルパトの天文台で星の位置の精密観測を行う。1837年(44才)に2640の二重星のカタログを発表。プルコボ天文台の建設にも力を注ぎ、1839年に口径39cmの屈折望遠鏡(当時世界最大)を備えたプルコボ天文台が完成と同時に台長に就任。1840年にベガの視差を測定。位置天文学、測地天文学に貢献した。

ドルパトの24cm屈折望遠鏡はフラウンホーファーが作ったものであった。

1837年、恒星の視直径は測定できないほど小さいことを示した。(星を近づけた人々P11)

1939年、ニコライT世はシュトルーフェをプルコワ天文台の台長に任命した。シュトルーフェは口径38cmの屈折望遠鏡を発注した。(星を近づけた人々P225)

1840年、プルコワの望遠鏡でベガの年周視差を0.262+/-0.037秒とした(現在の値、0.121秒とかなり違うが)。ベッセルに遅れること3年....(星を近づけた人々P196)


★τBoo、 この星には太陽系外惑星の可能性....nao0046,nao0153,アストロアーツ天文ニュース

NGC5248 銀河 C45

★★★NGC5466球状星団 8.9等,dia.=9.2',15.8kpc=52000光年 アルクトゥールスからスターホップしてやってきたが、非常に淡い。それから大きさはM5の半分ほど。中央がやや明るい。暗い彗星をみる訓練にぴったりの天体だ。

★3C294銀河 およそ100億光年にある巨大銀河 アストロアーツ天文ニュース

★MS1512-cB58 うしかい座の銀河 nao0534 ...ESOのVLT望遠鏡は、120億光年もの遠距離にある銀河の分光観測に成功し、この銀河の近傍にはたくさんの銀河間ガス雲が存在していることが確認された。

★H1413+117 クエーサー 重力レンズによって四つ葉のクローバーのように見えている。 距離110億光年。 アストロアーツ天文ニュース

★クローバーリーフ銀河 爆発的な星形成が起こっている領域....アストロアーツ天文ニュース

★HD130948 5.9等星の恒星で、58光年。暗い伴星B,Cがあって、すばる望遠鏡のAOにより、分離観測された。またスペクトルもとられ、2つの伴星は温度が低い褐色わい星であることがわかった。nao0516