くじら座 Cet

  くじらの心臓のところにある星・ミラは、2等星ぐらいに明るく光っていたり、4等星と暗かったり、肉眼では全く見えなかったりします。この星が明るさを変える変光星であることは1638年に発見されましたが、1648年にヘヴェリウスはこの星にミラ「驚異の星」と名付けました。 ミラは、星全体が風船のようにふくらんだり(明るくなる)、縮んだり(暗くなる)していて、ふくらんだときは太陽の500倍もの大きさになるそうです。ミラの変光周期は約330日ですが、ミラのように周期が長く規則的に明るさが変わる星は他にもたくさんあって、ミラ型変光星とよばれています。 このくじら、アンドロメダ姫の美しさを自慢したカシオペヤをこらしめるために海の神がさしむけたばけくじらです。その顔を一目見ただけで石になってしまうという恐ろしい怪物メドゥサを退治したペルセウスが、アンドロメダ姫に襲いかかろうとする怪物くじらを退治するギリシャ神話は秋の星座を語るときにはなくてはならない物語となっています。 くじらの尾のところで光る星、デネブカイトスは2等星で、晩秋の宵、南の空に見えます。

デネブカイトスは別名「ディフダ」です。

 

★ο星 ミラ  変光星 220光年 干渉計測定による実直径は5億6000万km

 1596年8月13日にファブリチウス(1564-1617)が新星と見た。1603年にバイエルが出した星図に4等星οとして記録した。1609年2月15日にファブリチウス再び発見、3等星、変光に気づく。 1638年、ヘルワルダは変光は周期的だと考えた。 1662年、ヘベリウスは「不思議な星の小史」という論文を書き、この題から「不思議なもの」ミラという名前がついた。 1667年、ブイヨーは変光周期を333日とした。

極大光度はばらつきがあって、1992年は2.4等に達したが、4等より暗いときもある。

ミラ変光の解明 様様な考察がなされたが、1926年にSir Arthur Eddingtonが理論づけた。Pierre de Maupertuis(1698-1759)は土星の環のような円盤状で、見る角度によって変光すると考えた。Edward Pigott(1753-1825)は、不透明な伴星が回っていると考えた。Rudolf Wolf(1816-93)は、黒点によると考えた。エディントンは、ミラがケフェイドのように脈動していて、周期が長いのは恒星の大きさが大きいのと表面の重力が弱いからだと結論した。

第二のミラ型変光星は、1686年に発見されたχCyg.で、現在では6000ものミラ型変光星がカタログに載っている。そのほとんどは単独星だが、ミラは連星だ。VZCet.という10等の高温のわい星が1秒以下の所にある。伴星を発見したのはRobert G Aitkenだが、1923年リック天文台の36インチ屈折、ウイルソン山のAlfred H.Joyがその5年前にスペクトルで捕らえていた。

ミラは極大のときには数本の明るい水素の輝線が生じ、M6型で表面温度は2500Kになる。また酸化チタンの強い暗線が生じ、小望遠鏡の接眼部に手持ちの分光器でも見ることができる。

極小期には1900KになってM9型の深紅の星になる。明るい輝線は消え、別の輝線が見えてくるが、Joyは伴星のスペクトルによるものだと推測した。伴星は9.5等から12等の間で変光していて、13年周期と考えられているが、もっと短い時間単位,分単位の変光も報告されている。伴星はおそらく主星からの物質によってできた降着円盤を伴なった白色わい星だろう。1980年にPaul Baizeが伴星の周期を400年としたが不確かだ。現在は0.2〜0.3秒の離角だ。アマチュアの望遠鏡で分離するには、16インチの最良の光学系とシーイングが必要だ。主星が極小のときで、緑のフィルターを使うとよいだろう。

ミラは太陽と同じほどの質量の年老いた星だ。近年の測定によるとミラの距離は100〜600光年。また恒星干渉計によると視直径は0.06"だ(S&T1992Jan.P029)。このことからミラの直径は太陽の200から1200倍で、地球はもちろん木星の軌道もふくまれてしまうだろう。キットピークのスペックル干渉計によるとミラはいくぶん楕円形ということだ(S&T1992Feb.P130)。.....S&T1996Feb.

くじらの心臓の所にある星・ミラは「不思議なもの」とよばれる変光星です。約330日で2等星から10等星まで明るさが1500倍も変化しています。この星の直径は太陽の400倍もあって、ふくらんだり縮んだりして明るさが変わっています。(ミラ型変光星)

★τ(タウ)星 肉眼星では7番目の近距離星 11.9光年 G8型の黄色の星。 1960年にFrank Drakeが、この星の周囲に惑星があって生命が存在するかもしれないとして、宇宙生命からの電波の受信を試みたが検出できなかった。εEri.も。

★79番星 距離117光年。土星の70%の質量の惑星があることがわかった。惑星は恒星から0.35天文単位のところを75日周期で公転していて、表面温度は800度以上と考えられている。国立天文台天文ニュース0337